FC2ブログ

ひき逃げ事故に遭ってしまった話〈後編〉

ByUcchyT

〈前編より続く〉


4、退院から通院へ…


大晦日になり、娘と一緒に迎えに来たカミさんが退院手続きを終え、自家用車に乗り込む前にひとつ重大な頼みごとをした。

「ニトリで座椅子買って下さい!」

家にあるのはいずれも壊れかけてクッションもヘタっていた。

カミさんは三賀日仕事なので、このまま帰宅するとその間体勢に苦しんで過ごすことになるのではという切実な事情があったからだ。


陳列された品物ひとつひとつ座って納得したレバーで角度調整が出来るタイプを買って貰えたお陰で、自宅静養が入院より辛いような状況は回避できた。

寝床も背中のあたりの蒲団の下に詰め物で上体をやや起こした状態にすることで、年越し最初の夜から快眠出来るようになり、無事自宅で快適な正月を過ごすことが出来た。


4日には近所の整形外科へ通院し、あらためてレントゲン検査すると、肋骨の骨折は6本と聞いていたのが更に1本発見されて「重症だったね~」と言われが、6本が7本になったところで何が変わるでもなく、バンドで固定してひたすらくっつくのを待つだけ。

あとは血行を良くするために1回15分の電気治療を毎日でも受けて良いというので、少しでも早く治すべく出来る限り毎日通うようにした。

 

5、事件解決へ 

 

初通院の日の午後警察から電話があり、遂に犯人が見つかったとのこと。

すぐに名乗り出ないのは何かの訳ありで、犯罪絡みやマル暴絡みなどの可能性があると聞かされていたので、普通の会社員と聞いてとにかく安心した。

ちゃんと任意保険にも入っていたようで、翌日に保険会社から連絡も入り、補償手続きに関する話のほかに、加害者が謝りたいと言っているとの話だったが、名乗り出なかった経緯など詳しいことを警察から聞くまでは会えないと直接連絡は一旦拒否した。
だが、これでようやく経済的心配も解消されて晴れて正月を楽しめる気分になれた。


6、根気の療養


気掛かりも解消されあとは骨が繋がるのを待つだけにはなったが、8本の骨折はそう簡単ではなかった。

整形外科で痛み止は飲まなくて良いと言われてから、入院中にはなかった痛みが出てきた。

朝起きて朝食のあと着替えて通院すると待合室で肩が痛み、電気治療が終わる頃には落ち着いて、日課の散歩で10分ほど歩くとまた痛む。

恐らく歩いたりすることによる身体への衝撃や、直立や背筋を伸ばして座る姿勢のもたらす骨への負担が痛みを生んでいるようで、唯一あの座椅子にもたれているときだけは痛まなかった。

それでも下半身が衰えては困るのと、たまたまその頃NHK特集でやってた骨の特集で、骨を作る信号が足から伝わる衝撃によって出され、それには歩くことが効果的というのを見たのもあり、痛みをこらえながら、野鳥の撮影などで気を紛らわせつつ極力毎日近所を歩くようにした。


この痛みはなかなか軽減しなかったが、1月半ばに2度目のレントゲン結果を聞くと、肋骨の方はかなり治ってきているとのこと。

実際もう咳やくしゃみが出てもほとんど痛みはなかった。

鎖骨の写真を見るとまだ切断面がずれていて、これが治るにはあと2ヶ月はかかるらしい。

それでも1月中に肋骨がくっつけば、座り仕事くらいは出来るというので2月1日職場復帰を目標に定めた。

あとは2週間かけて満員電車に堪え得るまで痛みが収まっていくかが問題。

そしてもうひとつ残された課題がある。


7、事件の真相


轢き逃げ犯の身柄は押さえられたとは言っても、まだ警察の実況見聞が済んでいない。

4日の身柄確保の電話以来警察から実況見聞の連絡がなく’堪らずこちらから電話して1月中にやってもらうよう依頼し、やっとギリギリの31日に決まった。


証拠物件として保管されていた愛車を載せてきた警察のバンに、入れ替わりで詰め込まれ(なんと後部の簡易シートにシートベルトがないまま!)1時間ちょっと揺られ、1ヶ月半前に救急搬送されて以来の橋の上へ来て事故を振り返った。

その後署で調書を作成してもらいながら実際に事故後に何があって、どうやって加害者の身柄確保に至ったかの全容を初めて知ることができた。


事故後にあったらしい事実はとても常人の想像の域になかった。


左の前輪あたりでバイクを跳ね上げたあと、加害者は気づかずにそのまま橋を渡って進んだというのが本人の弁らしい。

だがなんと、橋の少し先の交差点が赤信号で止まったとき、私を跳ねたのを目撃していた後続車の人が降りてきて、その事実を本人に伝えたのだという。

これで引き返せばまだ救急車も警察も駆け付けていないところで現れていた筈だ。

何故そうしなかったかについての本人の弁は警察も呆れるほど理解不可能だった。

「指摘された交差点の側で10分ほど待ったが現れなかったから先へ進んだ」


???????????????????????????????


どうやらまともな常識の通用しない相手に当たられてしまったようだ。

全く親の顔を見てみたいものだ。

…と言いたいところだが、それを見ても無駄という更にショッキングな事実が....


なんと!その母親がそのとき助手席に乗っていたというではないか!!


警察が絞り込んでその家にあった車の傷を確認してから呼鈴を押して出てきたのはその母親で、訪問の目的を告げると、

「ああ、あのときの事故」

みたいな反応だったらしい。

当然の疑問である何故息子に戻れと言わなかった??に対し

「助手席で旅行のパンフを見ていた」だとか「車のことは解らない」

みたいなことを言っていたとか。

まさにこの親にしてってヤツだ。


実は実況見聞の2日前に警察から電話があり、

出頭中の加害者がまだ被害者である私と話が出来ていないと知り、話して欲しいと言うので本人と少し会話を交わしていた。

指摘されたあたりのくだりは少し聞いていて?マークが頭にこびりついた状態はそこから始まっていたが、「謝りたい」と「償いたい」という気持ちは一応伝わったので、警察に話を聞いた後なら面会しても良いと伝えていた。

加害者は40才独身で母親と二人暮らしとのこと。

警察官も当然理解に苦しんでいたが、とは言えこの親子はとりあえず悪人ではないとも言っていた。

確かに本当に逃げ切るつもりで悪知恵を働かせれば、捜査の手が及ぶ前に証拠の残らない方法で車の修理だって可能だっただろう。

それもせずに、母親を通じての出頭命令に素直に応じて事実を話していることを考えれば、謝罪や補償について言っていることも少なくとも信用して先へ進めるしかない。


事故の2か月後に遂に加害者本人と面会したが、以前不可解な部分は解消されないまま。

本人は運転するのが怖くて免許取消し後はもう車には乗らないようなことも言ってはいたが、それくらい小心なら何故あのとき・・・

と全容解明しながらも依然スッキリしないものは残ってしまった。


一方加害者に指摘してくれた後続のドライバーさんは、暫く後に現場を通って目撃者捜しの看板を見てちゃんと警察に情報提供をしてくれたらしい。

現場で駆け付けて救急車を呼んでくれたり手伝ってくれた方々も含め、これこそが常識人の行動というものである。


救護と捜査にご協力して下さった皆様本当にありがとうございました!


8、大事な大事な愛車の容態は


かくして1月末にようやく事故の詳細が明らかになり、身体の方もなんとか通勤に耐え得る程度までに回復したと判断し、2月1日から予定どおり座り仕事限定で職場復帰も果たすことが出来たが、もうひとる何より気掛かりで復帰前にはっきりさせたかったことがあった。

それはほかでもない愛車も主人同様復帰できるかどうかなので、実況見聞の警察から戻るや否やバイクを車に積み込んでショップへ持ち込んだ。

IMG_0213.jpg 

このとおり警察の話しのように見た目には凹みやキズもほとんどなく、ちょっと歪みでも直せば乗れそうに思われたが、店長と一緒に細かく見てみると、、、、、

IMG_0211.jpg 

フレームのリアエンドが欠けていることと、チェーンステーの歪みが見つかった。


ロードバイクとしてはGIANTでも下から数えて片手レベルのエントリー車だが、フレームのデザインは大いに気に入っていたし、どれだけ走っても脚や尻が痛まないし疲れにくくなっているくらい身体にフィットしていた愛着しかないバイクだ。

同じフレームは手に入らないと聞いたときはただただショックだった。


そうはいっても時間が戻せない限りもうどうにもならないので、一旦帰宅してから気持ちを切り替えて代わりとなる1台と向き合うことにした。

当然相手の保険会社に補償させるのだから、前の方が良かったなんてことにならないようになければ。

万一保険屋が支払いを渋るようなことがあったらヤツに出させるしかない。


     ◇      ◇      ◇ 


以上がサイクリング中に起きた事故と、それにより私と愛車がどのようなことになってしまったかの全容です。


その後鎖骨の経過はどうやら順調で、先日のレントゲン結果では、先生が何処かの漫才じゃないけど

「いゃ、まさに子供の回復力!」

と驚くくらい鎖骨の接合も進んでいて、3月にはほぼ平常モードの生活に戻れるのではとのこと。

でもこれだけの事故なので、それでスッキリ元通りとはいかないような感じもなんとなくはしてはおりますが…


そしてそれに追随して代替バイクの話も急ピッチで進み、こちらの提示した見積も受理されたという連絡も先日入りました。

既に娘のビアンキでリハビリライドも行っているので、間も無く納車となればショップからそのまま試走出来るよう準備も進めています。


という訳で、次なる記事は新車の試乗レポートとなる予定ですので、どうぞ宜しくお願い致します。


ご愛読戴きまして誠にありがとうございました。

皆さまもライドの際は何よりご安全に!!


〈完〉



          

スポンサーサイト
Share

Comments 5

There are no comments yet.

フルカワヒロミ  

カーボンフレームですものねぇ

事故対応お疲れ様です(まだ,全て終わってはないですけど。)。倒しただけで逝ってしまうこともあるカーボンフレームですもの,今後のことを考えると新車相当だと思いますよ。
いい加減に扱えるクロモリフレームでも,今回のようなじこだとフレーム交換かなぁと思います。ただ,パナモリは旧態依然なので,以前のとおりに組んでもらえれば復活なので,そこはパナモリの良いところかと。
新車レビュー楽しみにしています。

2018/02/24 (Sat) 02:00 | EDIT | REPLY |   

UcchyT  

Re: カーボンフレームですものねぇ

> 事故対応お疲れ様です(まだ,全て終わってはないですけど。)。倒しただけで逝ってしまうこともあるカーボンフレームですもの,

ごめんなさい!TCR-1はフォークの一部にカーボンも使われてますが、バリバリのアルミフレームのエントリー仕様です。
そもそも10kg切りさえすればあとは見た目の好み程度の選択でしたが、3年足らずでも思い出いっぱいのあのフレームが見れくなるのは残念です。

> いい加減に扱えるクロモリフレームでも,今回のようなじこだとフレーム交換かなぁと思います。ただ,パナモリは旧態依然なので,以前のとおりに組んでもらえれば復活なので,そこはパナモリの良いところかと。

> 新車レビュー楽しみにしています。

ロードデビューの頃みたいにイケイケな勢いもないので、次はフルカワさんのようにスタイリッシュで落ち着きのあるクロモリの方が良かったかとも思いますが、何せG社なもので、後継車も先代と変わり映えせず、未練を引き摺る感じになる予定です。

2018/02/24 (Sat) 09:23 | EDIT | REPLY |   

フルカワヒロミ  

新車復活おめでとうございます!

基本的にS.N.Sはやっていないもので,baohさんのサイトのツイート記事を見て,知りました。
先日のコメントでは失礼しました。どうも,最近のロードはついカーボンかと・・・
とはいえ,個人的には金属が好きなので,アルミロードも悩んだのですが,真っ赤なフレームという奴がなかったんですよねぇ。今ならTREKのアルミロードで真っ赤なフレームもあるんですけどね。
とはいえ,黒いフレームに白いバーテープがカッコよいです。貧乏性なフルカワは相変わらず汚れの目立たない黒いバーテープを愛用していますです。
また,ブログの方でも新車をレビューしてもらえるのを楽しみにしています。

2018/02/25 (Sun) 19:49 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/02/27 (Tue) 22:46 | EDIT | REPLY |   

UcchyT  

Re: 入院されたと聞きまして

お見舞いのお言葉ありがとうございます。

おかげさまで2ヶ月で自転車に乗れるまで回復しました。

そちらさまもどうぞご安全に!

2018/02/27 (Tue) 23:57 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply