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馬を降り怒涛の名爆へと、いざ進め孤高の鋼軍!〈川苔谷トレックリング〉

ByUcchyT

連続降雨記録の中にあった盆休み以来となる連休は、あろうことか台風18号がそのど真ん中を通過していった。
その一過で唯一晴れ予報の月曜に向け、前日までに家庭関係の用事を済ませ、早朝から走りに行く気は満々だったが、未明に嵐が去ったばかりではそうそうすぐに繰り出す訳にもいかないだろう。

まず第一に濡れた路面がある程度乾いてから走りたい。
それに予報によると、午後15時あたりまでかなり強い南風が吹くらしい。
ということは海に向かうはなしで、多摩川上流など山方面が良いだろう。
しかし以前雨上がりの奥多摩湖付近の路面にかなりの水流があり、濡れたトンネル内をいくつも通過してドロドロになったのを思い出した。
きっと水気の少ない林道も風で散った枝葉などでかなり走りにくくなっているだろう。

などと折角の台風一過のサイクリングのイメージが考えれば考えるほどネガティブな方向に...
しかしすぐに発想の転換で一転ポジティブな方向へモチベーションが高まった。

そうだ、大雨のあとだからこそ観られる山の醍醐味を味わえばいいじゃないか!

これにより程なく見事にさっき挙げたネガティブ要因をほとんどクリアできるプランが出来上がった。

当日朝5時前に目覚ましが鳴り、バイクを車に積込み走り出してからコンビニで朝食を買い食べながら多摩川沿いを北上する。
時間が早いからか、それとも嵐が去ったのにまだ気付いていないからか、自転車でCRを走る人はまだ殆ど見えない。
路面はまだまだウェットなところが多く、風も時折強く吹いているように見えた。

そして完全に晴れ空になった7時頃、ストビューで探した青梅付近の某公園の駐車場に到着!
バイクを降ろして走り出した道はいきなり急斜面で横に蛇行しながらインナーに切替えてすぐさまロウまで落としててっぺんへ。
すぐに下りの急斜面が始まり、降りきったところが青梅の中心部。
いざ山を目指して街道を進め~!
と漕ぎ出してちょっと進んで気づいてしまった。

あっ!ボトル忘れた!!
最後のお楽しみ(?)だった筈の急坂を早くも登らねばならないとは...

車に戻りボトルを取って再出発しコンビニで水を充填して走り出す。
朝の奥多摩街道を上るとどうしても思い出すのが、始めてロードで奥多摩湖を目指したときのこと。
御岳の先のどこかを走っていると、前方左の崖際にある小さい物置小屋の隣のスペースに黒い獣が立っていて、近付いて通過するとカモシカだった。
すぐ横を通っても逃げなかったので、少し先で止まってカメラを構えた瞬間背後から車が来て逃げられてしまった。
その後何度かここを通る際に、似たような景色が多いので場所の特定ができずにいたが、今日ようやくその場所が川井駅の手前だったという確信が持てた。

その後緩やかに上りながら初めてのトンネル、鳩ノ巣駅、白丸ダムと景色が変わり、20kmちょっとの程よいクルージングで奥多摩駅に出る。
日原街道へ折れるのもいつ以来だろうか。
この道に入ると車の通行はぐっと減るので、それだけでもかなり心持ちが変わる。
過去2度この道へ入った際の目的地は程なく現れた。
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左手に見えるのTOKYOトラウトカントリーという渓流釣り場で、そこにあるメイフライという食堂にはバイクラックがあるという情報で、奥多摩湖ついでの昼休憩場所としているが、ご覧のような渓流を観ながらテラスでランチというのはいつも至福のひとときだ。
初回にピザを注文して待っていると、お店の奥さんに呼ばれて店の奥、写真で建物右側の崖のすぐ目の前にこんな立派な雄カモシカが居たのは本当に衝撃的だった。
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撮り逃がしたその日のうちに同じ種のこんな立派な写真を撮れるなんて奥多摩は凄過ぎる!
そんな忘れ得ぬ思い出の場所を横目にこの橋を渡ると、その先はいよいよ未踏の地だ。

清流を左に見ながら進むと交通整理をするおじさんが、その先に見えるトンネルの通行を制限していて、ちょうどその目の前に林道のゲートがあり、横の隙間から中に入る。
いきなり林間に潜り込むようにして始まる林道は、普通なら涼しげで右手の沢の流れと共に相当心地よく上れそうだ。
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しかし、そう思えたのは最初のうちだけで、この時は台風一過だけあって、そんな穏やかな状態ではなかった。
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枝葉に混じってエッヂの効いた岩の破片が見え隠れしているので大変危険。
危険なのは尖ったものばかりではなくこんなものも...
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最近里ではなかなか見かけなくなった在来種のガマ君。
こんなストレッチ状態のまま動かぬこと岩の如しだった。
そんなのも含めてとにかく油断ならない。
とはいえそれさえなければこの林道は相当魅力が満載だ。
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突然景色が開けたと思ったらこんな絶景が!
岩の感じが有間峠に通づる感じがすると思ったら、この林道の終点の先がまさにその有間峠だった。

そして何より魅力的なのが絶えず響き渡るせせらぎなのだが、この日の水量は所々で轟音を響かせていた。
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こんな素敵な景色と音に囲まれていると、一部で15%以上を示していた傾斜も全く気にならず、気がつけば各サイトで見たとおりのこの場所に着いていた。
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さあ、ここからは愛馬を降りて歩くしかない。
SPDシューズをスニーカーに履き替え、ボトルをリュックに入れていざ突入!

っというところでこの看板が目に入った。
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1年前のこととは言え熊の目撃ではなく襲われたという情報にはさすがに恐怖心が隠せない。
一応想定としては一番電車で先行した登山客らに追い付いたり既に滝見を終えて戻ってきたりしてる筈だったが、実際林道に入ってからは誰ひとりと出会っていない。
もう自分の身は自分で守るとして必要なここに書かれているように何か音の出るものは..

スマホしかないっ!

ということでミュージックプレイヤーを作動させて登山道へ足を踏み入れた。
選曲は途中で誰かに会っても不快感を与えないように、自然の景観に馴染むパットメセニーをチョイス。
しかしスマホの小さいスピーカーが鳴らす繊細な音楽では殆ど響いてこない。
水量半端ない清流の音にかき消されてこれでは全然だめだ。

ここで少しでも音を響かせるにはヘビメタくらい激しい音楽じゃないと...
でもヘビメタなんてこのiTunesには.......

あった!!!

ということで唯一入っていたヘビメタ。
ベビーメタルのメタルレジスタンスをon air!

♪進めー道なき道で~も~

ってまさにうってつけの歌詞やん!

これで俄然勇気が沸いてきて、道を拓いて進むのに欠かせない杖になりそうな枝を探し出した。
そして次なる曲は「カラテ」

♪セイヤっソイヤっ戦うんだっ!!

もうこれが掛っちゃやるっきゃないって気持ちになってしまう。

武井壮じゃないが、熊が襲ってきたなら、
先ず杖で腕をはたいて敵がひるんだところへ蹴りを入れて更に...

もう小さめなツキノワグマぐらいなら倒せそうな気さえしてきた。

前だけではなく横や背後にも気を配りながら進むが、そんな危険な気配よりも現れる景観の素晴らしさの方が圧倒的に勝ってくる。
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こんな木製の橋がいくつも出てきて、先人によって水と交錯しながら進むべき道筋が示されていく。
ところどころ台風の爪痕の枝葉で道が覆われたりもあり、決して簡単には進めないところもあるが、どうにか問題なく進んでいる。

ここまでにも滝と呼べそうな瀑流がいくつもあったが、ここからは完全に滝にしか見えないものが連発で現れる。
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真ん中の細く見える滝でさえ、実際の落差と幅は最寄りの定番名瀑塩川滝とほぼ同等だった。

これらを無名にするほどの主役は果たしてどれほどのものなのだろう!?

終盤になるにつれコースの難易度のが上がる。
目の前の岩盤に阻まれたと思うと、横の崖から流れ込む支流の脇に岩の窪みが点々と連なり、そこをあと少し角度があればボルダリングかのようによじ登り、
川よりだいぶ上がった斜面を時折滑りかけたりしながら横移動すると、今度は木製の急角度の階段にロープが掛けられ、掴まりながら下ること2本。
これが終わって川の高さまで降りてカーブしたところで遂にラスボスが視界に!
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うぉーー❗️
こりゃすげ〜〜‼️

ドドドドーーっと落下する水量はこれまで間近で観た滝の中でダントツだ!
10mくらい離れてもマイナスイオンとか霧のレベルではなく、普通に降雨と呼べる水滴が降りかかる。
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そのままシャッターを押すとレンズには水滴だらけ。

少し離れて全体をしっかり捉えよう。
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ん〜〜!
なんと見事な瀑流なんだ。
左右を同じような角度の斜面に囲まれたこの滝壺から始まる川の周りの景観も最高に素晴らしい。
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振り向いた右斜面は直角に近い岩の崖になっていて、遥か上の方に林道のガードレールも見える。

そんな大自然の壺の底で怒涛のマイナスイオンをたっぷり受け止めながら30分以上過ごし、もう十分に思えて激流の川を岩伝いにおっかなびっくり岸まで戻り、名残惜しくなったので更に近寄れるだけ滝壺に近づいて見上げてみた。
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20km近く離れた前の写真との比較でもなんとなく判るが、滝頭から物凄い水量が目の前で末広がりに落ちてくる様はもう圧巻と言うしかない。

この位置でひとしきり飛沫を浴びたところでようやくここを離れる決心がついた。

再びベビメタの続きを鳴らしながら、ロープを掴みながら階段を1、2、3、、、、
道はどんどん上へと続いていく。
あれっ!
さっきはなかった蜂の巣が転がっている。
そお~っと速やかに通り越して、まだまだ上る??
えっつ?
そんな上る筈ないだろ!

ちょうどiTunesからヤバッ!が流れる。

♪ち~が~う~、ち~が~う~、違い過ぎてこ~ま~る~♪

これ絶対どこかで間違えてる!!
さあ、蜂の巣から後戻りだ。
で、結局どこまでバックしたかと言うと、1、2、3、、、のとこ。
来るときの文にあるように階段は2本しか降りてなかったのだっだ。

その後は迷わずさっき見た道筋の後戻り。
景色は同じ筈だが見る向きが違うことでまた印象は違ってくる。
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沢の流れの先から木漏れ日が差すこんな景色もありきたりようだが何ものにも代えがたく見えた。

かくしSuメタルの歌声とYui Moaの掛け声、そして神バンドの鋼の演奏に励まされながら残りの道筋も楽しく歩ききって、無事愛馬の待つ入口へと戻り着きました。
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なんと林道からこの登山道往復のここまで誰ひとりとも会わなかった。
台風一過の名瀑を、、なんて誰でも考えそうなものなのにな~
そんな孤独な行軍もBGMの意外なくらいなマッチングと、拾ったこの杖のお陰で無事に全うすることができたので、あとに続く人のために杖はここへ立て掛けたままにした。

変わりなく台風の爪痕の枝葉と岩片のトラップに細心の注意を払いながら林道を下り、おじさんが交通整理するゲートまで戻り、日原街道を左折。
本当は右折して有名な日原鍾乳洞も観ていく選択肢も想定していたが、百尋の滝とその道のりの満足感があまりに大きかったので、今観てきた風景と空気感に余計な上塗りをしたくなかった。

林道入口から少し下りたところの頭上に鉄橋があったのを往路で見てはいたが、帰りに下を潜ったらしっかり使われていて、小さなトロッコが行き来していた。
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林業か鉱業に使われているのだろうか、いずれにせよ遺産と化すことなくこうして現役で活躍しているということがなんだか嬉しい。

詳しく勉強はしていないが奥多摩町開発の歴史に重要な役割を果たしてきたであろうこの工場が日原街道の起点に近づくと見えてきた。
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奥多摩湖建設の為に敷かれ今は廃線となっている小河内線を一時買い取り、この石灰工場の運搬に使っていた路線が民営化で今のJR東日本の所有に移るという歴史があるようだ。

今も奥多摩駅の奥に鎮座するこの工場は、
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こんな感じでかなり錆び付いて操業停止しているようにも見えるので、こうして見た光景に思わず。。。

”工場燃え尽き”

なんて言葉が沸いてきてしまい、Instagramにもupしてしまったのは少し失礼な話かもしれない。
そんな水資源確保や鉱物採掘に伴う人造構造物と自然との共存による地域開発によって、こうして舗装した道を伝って自転車でこんな山奥まで登ってくることが出来て、更に少し脚を使って踏み込めばこれほどのダイナミックな大自然の風景も満喫できるのだ。

奥多摩って素晴らしい!!

そんなことを考えながら順調に脚を回して青梅まで下って車に戻り、無事帰還しましたとさ。
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